四つ葉工房|株式会社悠木社
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快適に暮らすには温度だけでなく湿度も重要!②
2025年07月27日
こんにちは。
茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
今回は前回に続き、湿度についてのお話です。
もしまだお読みでない方がいらっしゃいましたら、先にこちらからどうぞ。
前回の最後に、ちょっとしたクイズを出しました。
「湿度を表す単位は?」という問題だったのですが、多くの方が「%」と答えられたのではないでしょうか。
実はこれ、少しひっかけ問題だったんです。
というのも、「%」は確かに湿度を表すときによく使われますが、これは厳密には「相対湿度」のことを指しています。
空気というのは温度によって、その中に含むことができる水分の量が変わります。
温度が低ければ少ししか含めず、高ければたくさん含むことができます。
相対湿度は、その「含める限界」のうち、実際にどれくらい含んでいるかを「%」で示したもの。
たとえば「20℃で50%」と「30℃で50%」では、見た目は同じでも、実際に含まれている水分量は違うというわけです。
一方で、水分そのものの量を示すときには「絶対湿度」という言い方をします。
こちらの単位は「kg/kg(DA)」ですが、実務では「g(グラム)」で表すことも多く、今回は分かりやすさを優先して「g」で進めます。
相対湿度はあくまで“割合”であって、“量”ではない。
これを理解するうえで便利なのが「湿り空気線図」というグラフです。

このグラフでは、横軸が温度、縦軸が絶対湿度(g)、そして曲線が相対湿度を表します。
今回はグラフの詳しい見方は省略し、そこから読み取れる結果だけをお伝えします。
少し話が難しくなってきたので、ここでイメージしやすい例を。
サウナを想像してみてください。すごくジメジメした感じ、ありますよね?
実はあのサウナ、相対湿度にするとなんと約8%しかないんです。
えっ、そんなに低いの?と驚かれる方も多いと思います。
でも、サウナは温度が85℃くらい。
高温になると空気中に含める水分の“最大量”が一気に増えるので、8%でも実際には30gもの水分が含まれていることになります。
この「30g」というのは、温度31℃・湿度100%のときと同じくらい。
それくらい湿度の“量”というのは、温度と深い関係があるのです。
では「快適な湿度」ってどれくらいなんでしょうか?

湿り空気線図を使って、東京都の2024年の月別の平均気温・湿度を落とし込んでみると──

一番乾燥している冬で絶対湿度は約3g、
ジメジメする夏で約20g。
その中間、3月後半~5月後半と10月~11月ごろは、加湿も除湿もせずに過ごせる時期だと考えられます。
このときの絶対湿度はだいたい7g~14gの範囲。
つまり、気温に関係なく、湿度をこの範囲に保てれば「快適」と言えるわけです。
たとえば室温が24℃のとき、絶対湿度を10gにすると、相対湿度はおよそ53%。
このくらいがちょうどいい、と感じる方が多いのではないでしょうか。

今、この記事を書いている私の部屋はエアコンなしで、室温が27.9℃、湿度54%。
絶対湿度は14.5gで、「暑くはないけれど、少し除湿したいかも」という感覚です。
湿度はついつい見落としがちですが、実は暮らしの快適さに大きく関わっています。
「なんとなくジメジメする」「なんとなく乾燥してる」──そんな時は、湿度の“量”にも目を向けてみてください。
今回も少し長くなってしまいましたので、このあたりで。
また機会があれば、湿度についてさらに掘り下げてご紹介したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた。
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