四つ葉工房|株式会社悠木社
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令和の米騒動、職人の価値
2025年05月25日
こんにちは。茨城県筑西市の工務店、四つ葉工房の篠﨑です。
米価の高騰が止まりませんね。
中抜き業者が価格を操作しているとか、ぼったくりだなんて話もありますが、真相はもっと複雑なようです。
現在の米不足・価格上昇の背景には、異常気象による収穫量の減少、資材価格の高騰、投機的な取引、さらには生産者の減少など、さまざまな要因が絡んでいます。
新たに就任した小泉農水大臣には、ぜひ状況の改善に取り組んでいただきたいですね。
そもそも商売は、仕入れたものをいくらで売るかは自由です。法を犯さなければ、どれだけ利益を出しても違法ではありません。
私自身、お米が大好きなので、農家さんが正当な報酬を得て、気持ちよく米作りができる環境が整うなら、多少値上がりしても納得できます。
ただ、「誰でも簡単に儲かる」ような状況になるのは反対です。
バブル期の建設業界では、需要の急増で未熟な人たちが大量に参入し、結果として質の低い住宅が多く建てられました。
私もその頃の家の改修に関わることがありますが、思わず「え?」と驚くような施工に出会うことがあります。
今では技術のない職人は淘汰されつつあるものの、それは価格競争に巻き込まれた結果とも言えるでしょう。
もし将来また「職人は儲かる」となれば、再び中途半端な人たちが参入し、職人の価値が下がる…そんな悪循環にならないか心配です。
農水省の統計では、稲作農家の95%が赤字と言われています。このままでは若者が米作りに希望を持てず、担い手不足がさらに深刻になるでしょう。
最近のニュースでは、小泉大臣が「6月上旬には5キロ2,000円に」と発言し、農家の落胆の声も上がっていました。
価格上昇分が流通だけでなく、生産者にもきちんと還元されることを願っています。
ちなみに住宅価格も、コロナ前と比べて3割ほど上昇していますが、職人の賃金はほとんど変わっていません。
これから家づくりやリフォームを考えている方には、過度な値引き交渉や相見積もりが、現場の職人さんや仕入れ業者を苦しめているかもしれない…という視点も持っていただけたらと思います。
…とはいえ、少しでも安くしてもらいたいという気持ちも、分からなくはないんですけどね。
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