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設計の原則
2024年09月30日
家の間取りは、建てる人の要望によって全てが決まると考えられています。
しかし、多くの情報をお客様から引き出せたとしても、それだけで住みやすい家をつくることは出来ません。
理由は、要望を引き出せば引き出すほど、それを叶えることだけに必死になるからです。
結果、その土地に合わせた間取りをつくりづらくなってしまいます。
本当に住みやすい家をつくるためには、周辺環境の状況を加味した上で要望をお聞きし、その要望の1つ1つがその土地に合っているかを確認しながら間取りをつくるべきなのです。
要望を聞き過ぎてしまうと、要望を実現することだけにいっぱいいっぱいになり、それ以上の配慮ができなくなってしまうというわけですね。
また、要望を聞き過ぎると、予算が上がりがちになり、予算とのバランスが取りにくくなるという困った悩みも発生します。

というわけで今回は、住みやすい家を予算を抑えながら建てる方法についてお伝えしていきたいと思います。
ヒアリングでお客様から要望を引き出し過ぎてしまって、図面と予算の収集がつかなくなっている事態。それに加え、家づくりにおいてなんとなく受け入れてしまっている「固定概念」というものもたくさんあり、それが間取りづくりの邪魔をするので、その固定概念を打破すべく、正しい知識をつけていただければと思います。
✔️間取りは土地に合わせて考える
間取りを考える上で最も大事な要素。
例えば、日当たりが良い南向きの土地に家を建てるとしたら、南向きに部屋をつくり、南向きに大きな窓をつくるのが当たり前とされています。
ただ、間取りを見る際に気を付けなければいけないことが、「周りから自分の家がどのように見えるのか?」ということです。
南向きの土地ということは南に道路があるということ。つまり、中から外の様子がよく見えるということであり、道行く人や車からも家の中の様子が見えるということでもあります。
当然、リビングからの続きでつくったウッドデッキもです。
まず、これが想像出来ていないと、思っていたものとは違う家に仕上がってしまいます。
レースカーテンだけでは不安だとしたら遮光カーテンまで閉めることになり、すると家の中に光が入ってこなくなりますし、ずっとカーテンが開けられない状態に・・・。丸見えなのが恥ずかしくてウッドデッキも使わない。
いかがでしょう?
「確かに・・」と思っていただけたかもしれませんが、実際にそういった家に住んだことがなければ想像もつかなかったのではないでしょうか。
大きなメリットだと感じていた「南向きの土地」にも、こんなデメリットがあるなんて思ってもみなかったのではないでしょうか。
✔️土地にマッチしない固定概念
「部屋は南向きでつくるべきだ」という固定概念は、南向きの土地に限らず、その他の土地でも設計士の頭を悩ます要望となります。
日当たりが悪そうな土地で1階の南にリビングを配置すれば、冬場はほとんど光が入ってこないため、「暗い」「寒い」という家になりやすいからです。
また、別の場所で採光を確保しようにも、大きな窓をつくればつくるほど、隣との距離が近いければカーテンを開けることが出来なくなりますしね。
南にリビングを配置したことによって水回りが北に配置されることになれば、脱衣室が寒くジメジメしやすくなりますし、室内干しで洗濯物を干しても乾きにくいでしょう。
いかがですか?
自分の住む家がこんな家になってしまうと想像したら・・・。
家づくりをする時は、なんとなく受け入れてしまっている固定概念というものをあらかじめ打破していただくことが重要な一歩だと考えています。
固定概念をなくし、柔軟に考えられるようにしてみましょう。
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